協会コラム ~だから、Medicell~
Vol.7 世の中は「お肌」が注目のキーワード
昨今「お肌」についての関心が高まっていると思われます。
女性はもちろん、男性の間でも。
さらに子供でも。
皮膚についての科学的研究が進み、皮膚は人間の、そして哺乳動物の、体と心の状態に、想像を超えた、大きな役割を持っていることが解ってきました。
筋肉や骨の動きも、内臓の働きも、皮膚の状態で変化が起きるということです。
それが何故かというのは、以下の通りです。
神経と皮膚は、例えるならば、縁の深い親戚だから。
受精卵からどんどん体ができていく時に、神経と皮膚は同じところ(外胚葉)から発生します。
神経と皮膚は、相互に深く影響し合っています。
神経の中枢は脳ですから、皮膚の状態は、脳‐神経を介して、様々な体と心の状態をつくり出します。
多くの人たちが抱える体の不調の多くは、自律神経の不調が関わっていると考えられます。
それは、子供についても同様です。
皮膚から自律神経の中枢である脳の視床下部にアプローチすることが、ひとつの有力な方法とされてきました。
さらに、急増してきていると言ってもよい子供の精神的な不調について、その対処法として、皮膚への注目が高まってきています。
科学的研究においても、マッサージやタッピングによって、脳‐神経や脳内伝達物質や脳の循環などに、変化が現れるというエビデンスが出されてきています。
発達障害をはじめとして、子供の心に関わる問題や、心の健やかな発達などに対処する知識、手段として、皮膚が果たしている体と心への働きかけを知ることは、大変意義があると考えられます。
さらに、皮膚に施すケアやトリートメントなどの、具体的なメソッドを学び、かつ体験することに、大きな価値があると言えるでしょう。
筆者:竹内 研(一般社団法人日本メディセル療法協会理事・学術委員長)