協会コラム ~だから、Medicell~
Vol.20 痛いの、痛いの、飛んでいけ~
痛みと気分は関係あるかと言えば。その答えは、あります。
小さなお子さんが「痛い、痛い。」って泣いている時に、お母さんが優しい言葉などをかけてあげたら、ほどなく「治った。」とか言って、機嫌よくなったり。
私たちも、怪我したり、体のどこかが不調で痛かったり気持ち悪かったりする時に、その痛みや気持ち悪さが、増したり軽くなったり、その時折で変わる経験をしたことがあると思います。その症状自体には改善が無くても、痛みや不快感などが時々刻々変わるのは、よくあることです。
どうしてでしょうか?
痛みや不快感はどこで感じるのかというと、その答えは、脳。
例えば、足首の捻挫をした時に、「足首が痛い。」と感じますが、足首には脳の様な組織はありません。あるのはセンサー(受容器)だけ。そのセンサーが受け取った刺激が脳に送られて、脳がそれを解析して、痛みの感覚が生まれる。
人間を含めて、動物の感覚はすべてこの仕組みですね。
内科に心療内科という分野があって、内臓などの疾患に心理面が大きく関わっていることをみなさんよくご存じだと思います。
一方、筋骨格系の痛みなどについては、心理面との関係に目が向けられだしたのは、近年になってですね。経験的には多くの人たちが、なんとなく感じていたと思いますが。
疼痛改善も、脳のメカニズムに着目して行う時代となりました。
筆者:竹内 研(一般社団法人日本メディセル療法協会理事・学術委員長)