協会コラム ~だから、Medicell~
Vol.23 筋肉の温度
冷え性の方、けっこう大勢いらっしゃいますね。睡眠の妨げになるほどの手足の末端冷え性とかも。寒がりの人もたくさん。
暑さ・寒さをどれほど感じるかは、個人差もありますね。私たちの体の皮膚には、温度に対するセンサーが、膨大な数あります。少し複雑なお話になりますが、私たちの体の様々なセンサーには、人それぞれ閾値があります。閾値とは言い換えれば、感度ということができるでしょう。温度を感じるセンサーだと、例えば外気温20度を、暑いと感じるか普通と感じるか、とか。
さらに、センサーの感度だけではなくて、時々刻々変化する脳の機能によっても、温熱感覚は変化します。
外気温に対しては、このような仕組みが働いていますが、体温についてはどうでしょうか。
体温とは体の熱産生、つまり私たちの体が生み出す熱のことを言うのですね。熱はどこで生み出されるのかというと、一番は筋肉ですね。筋肉が活動することを筋収縮といいます。筋収縮によって、熱が産出されているのです。
とても寒い時や、体が冷えた時に、ブルブルと震えるのは、冷えた状態を脳がキャッチして、体の筋肉に命令を出して、細かく筋肉を収縮させることによって、熱を産み出そうとするのです。
ですから、筋肉とは発熱装置なのだと思ってください。
筋肉の活動で生み出された熱は、体中に運ばれます。体のすべての組織は、その温度が保たれていないと、正常に機能しないのです。
では、熱を運び届ける仕組みとは?
それは血液の流れです。
血液は液体で、液体は温度を逃がしにくいという性質があります。筋肉が生み出した熱は、血液でキープされて、血液の流れによって、ありとあらゆる組織に運ばれます。
血液の流れが悪い部分は、冷えやすいといえます。
体の表面の体温も大切ですが、体の奥の体温(深部体温といいます)が、健康のためにも、とても大切です。
低体温と健康との関連性も、あちこちで言われていますね。
人間も動物も、身体にはビッシリと隈なく、血管の網の目が張り巡らされています。
その血管の通り道を開いて、血液の流れを良くするには、皮膚へ優しい刺激を与えることで可能になります。
筆者:竹内 研(一般社団法人日本メディセル療法協会理事・学術委員長)